私がナースを続ける理由 第5話

誰の心の中にも、ずっと大切にしたいストーリーがあります。今の自分を支える
ストーリーをご紹介します。

高度な技術にも勝る、看護のぬくもり

手術室では、病棟のように日々の時間を患者さんと共有することはありません。しかし、手術という緊張の場面では、わずかな時間で強い信頼関係が生まれるのを感じます。手術の難易度に関係なく、平気そうに見えても内心は恐怖と不安でいっぱいになる患者さんがほとんど。極度の緊張から、手を握っていてほしいという患者さんは多いのです。局部麻酔で手術中意識がある患者さんはなおさらです。AIやロボット治療など高度医療が進む一方で、緊張でこわばり冷たくなった患者さんの手と心が、私の手で柔らかく暖かくなっていく瞬間。人の手のぬくもりには、どんな治療や薬にも負けない力があると信じています。麻酔から目覚めた患者さんが再び私の手を握った瞬間、「手術を頑張ってくれてありがとう」と胸が熱くなるのです。

私がナースを続ける理由