[2016年6月] 製薬会社の研究公募活動の一覧

近年、大手グローバル製薬会社は、医薬品開発を通して世界の人々の健康に貢献すべく、イノベーションの源泉となる創薬および技術研究シーズの育成を目指して、大学・公的研究機関と積極的に連携し共同研究(いわゆるアカデミアとのオープンイノベーション活動)を推進しています。

今回は、アステラス製薬株式会社、EAファーマ株式会社、シオノギ製薬、第一三共株式会社、大日本住友製薬株式会社、武田薬品工業株式会社の研究公募活動(オープンイノベーション活動)を御紹介します。

T-CReDO研究開発マネジメント部では、これら製薬企業の共同研究公募申請に対して各種相談支援を行っていますので、申請を検討される研究者は、まずは研究開発マネジメント部まで御連絡をお願いします。
また、公募情報の提供等今後の支援のために、是非シーズ登録をお願いします。

各公募
事業募集分野 募集期間
a-cube (アステラス製薬株式会社) 特徴はこちら
  • 【プログラムA】研究テーマ事前設定型 100~3,000万円/年
  • 【プログラムB】技術課題解決アイデア募集型 10~300万円
  • 腎疾患
  • 後眼部疾患
  • BM
  • 安全性(in silico、モデル系)
(2015年12月時点)
通年
(6月、12月に募集テーマ更新予定)
創薬研究パートナー募集(EAファーマ株式会社) 特徴はこちら
  • ①炎症性腸疾患・合併症 創薬候提案プロジェクト
  • ②消化器疾患 創薬基盤・診断技術プロジェクト
  • ③消化器疾患 早期開発ステージプロジェクト
  • 消化器疾患全般
2016年度は、10月予定
FINDS(シオノギ製薬)
ともに200-1,000万円/件
2015年 募集終了
2016年 10月予定
TaNeDS(第一三共株式会社) 特徴はこちら
  • [a.創薬標的検証タイプ]
  • [b.創薬標的探索タイプ]
  • [c.創薬技術開発・検証タイプ]
  • [d.製薬技術タイプ]
総額:1,000万円/件 500万円/件のテーマ有)
  • がん
  • 疼痛
  • 細胞医療
  • 希少疾患
  • バイオロジクス、DDS
  • 薬動、安全性
  • 分析・測定技術
2016年度は、6月予定
PRISM (大日本住友製薬株式会社) 特徴はこちら
  • グループ1:新規創薬シーズの探索/検証
  • グループ2:創薬研究ニーズの課題解決
  • グループ3:弊社保有化合物の新規適応疾患の探索/検証
各グループとも共同研究費 500万円(最大)、共同研究期間 1年間(原則)
  • 中枢神経系
  • 治療満足度の低い疾患
  • 創薬関連技術
2016年度は6月予定
COCKPI-T (武田薬品工業株式会社) 特徴はこちら
  • A(見守型)
  • B(協創型、技術・資産の提供有)
ともに200-1,000万円/件
  • がん
  • 消化器疾患
  • 中枢神経系疾患
  • 免疫研究
  • 創薬技術
2016年度は、6月~7月予定

各公募の特徴

a-cube(アステラス製薬株式会社) 共同研究の公募 (6月、12月に募集テーマ更新予定)

a-cube 共同研究の公募 (6月、12月に募集テーマ更新予定)
プログラム 【プログラムA】研究テーマ事前設定型、【プログラムB】技術課題解決アイデア募集型
選考基準 公募テーマとのマッチング、弊社研究プロジェクトとのコンフリクト、研究の独創性、研究計画の実現性、創薬への発展性、課題解決に対する有用性。
その他
  • 研究費:研究の規模や研究にかかる費用で決定
  • 使途報告書:必要(プログラムAのみ)
  • 発表制限:事前許可が必要

創薬研究パートナー募集(EAファーマ株式会社) 共同研究の公募 (10月から11月を予定)

創薬研究パートナー募集 共同研究の公募 (10月から11月を予定)
プログラム
  • ①炎症性腸疾患・合併症 創薬候提案プロジェクト
  • ②消化器疾患 創薬基盤・診断技術プロジェクト
  • ③消化器疾患 早期開発ステージプロジェクト
選考基準 募集プログラムとのマッチング、社内プロジェクトとのコンフリクト、研究内容の独創性、研究計画の実現性等
選考ステップ
  • 一次選考:書類審査(ノンコンフィデンシャル情報のみ)
  • 二次選考:面談による審査(必要に応じて、秘密保持契約を締結)
その他
  • 研究費:研究内容を基に協議し弊社が決定。
  • 使途制限:共同研究を推進するための費用であれば可。
  • 使途報告書:不要
  • 成果報告書:必要
  • 発表制限:弊社に事前連絡および承諾が必要

TaNeDS(第一三共株式会社) 共同研究の公募(2016年度は、5月30日~6月27日)

TaNeDS 共同研究の公募(2016年度は、5月30日~6月27日)
プログラム 創薬シーズ探索・検証研究から技術プラットフォーム研究までをカバーする、4タイプ
選考基準 第一三共株式会社および子会社のニーズとのマッチング、研究の独創性、将来性、実現性、医薬品化の可能性、および社内プロジェクトとの重複など
選考ステップ
  • 一次選考:書類選考(ノンコンフィデンシャル情報のみ)
  • 二次選考:書面選考、及び面談選考(必要に応じて、秘密保持契約を締結)
その他
  • 研究費:研究計画に応じて弊社が決定
  • 使途制限:なし
  • 人件費:可能
  • 使途報告書:不要
  • 成果報告書:必要
  • 発表制限:事前許可が必要

PRISM(大日本住友製薬株式会社) 共同研究の公募(6月1日10時~6月30日17時)

PRISM 共同研究の公募(6月1日~6月30日)
プログラム 新規創薬シーズ、創薬技術の探索/検証及び創薬研究ニーズの課題解決。弊社保有化合物の新規適応症の探索。
選考基準 募集テーマとのマッチング、弊社既存研究とのコンフリクト、研究内容の独創性あるいは有用性、研究計画の実現性。同じ研究内容の場合には、若手研究者を優先的に採択。
選考ステップ
  • 一次選考:書面(ノンコンフィデンシャル情報のみ)
  • 二次選考:面談(必要に応じて、秘密保持契約を締結)
その他
  • 研究費:研究内容を基に協議。最終決定は弊社。
  • 使途制限:共同研究を推進するための費用として、消耗品費、機器の購入、人件費等に使用可能。
  • 使途報告書、成果報告書:必要
  • 発表制限:弊社に事前連絡し、承諾が必要

COCKPI-T(武田薬品工業株式会社) 共同研究の公募(6月1日~7月31日予定)

COCKPI-T 共同研究の公募(6月1日~7月31日)
プログラム 2コース:Aコース(見守型:研究費を提供)、Bコース(協創型:研究費および弊社の創薬関連技術・資産を提供)
選考基準 弊社が提示する研究課題との整合性、ご研究の独創性、実現可能性、将来性等。ただし、同じ研究内容のご応募があった場合には、若手研究者を優先。
選考ステップ
  • 一次選考:書類選考(ノンコンフィデンシャル情報のみ)
  • 二次選考:面談等(必要に応じて、秘密保持契約を締結)
その他
  • 研究費:研究計画に応じて弊社が決定
  • 使途制限:採択研究を研究計画に沿って推進するためにのみ使用可能。機器リース費、研究補助員への使用可。
  • 使途報告書:必要
  • 成果報告書:必要
  • 発表制限:事前通知・確認が必要

応募用紙への記載内容

(各公募で記載する項目を網羅しています。各社の公募によって記載項目が異なりますので、ご留意下さい)

各社の応募用紙に共通に含まれている内容

応募者情報(Contact information) 、募集テーマ、 応募テーマ名(Project title)、要旨 (Executive summary) 、研究目標 (Specific aims)、研究背景・重要性 (background and significance)、研究計画(Research design and methods)&図(Figures) 、関連文献 (Relevant references)&関連特許(Patents)、助成金&共同研究費など (Research Grants from Governments, Public Institutions, Private Foundations or Companies)、共同研究者(Collaborator)

企業によって含まれている内容

教育歴、研究歴(Education & Professional Experience) 、主要業績(Principal achievement)、会社に希望する試料、リソース、研究計画の概念図(Graphical summary)、ノンコンフィデンシャルであることの確認欄、PI の記載欄(principal investigator)、機関代表者、希望研究費(Project Fee)

応募書類を作成されるにあたって、留意して頂きたいポイント

企業の共同研究に関わるグラントと公的グラントでは、評価におけるスタンスが異なっています。以下に製薬企業が重視するポイントを挙げています。

研究内容について

  • 研究目標・研究成果は、提示されているニーズ・課題をみたすものですか?
  • サイエンス上の新規性、独創性は示されていますか?
  • 既存方法・シーズ・技術に対しての優位性を示していますか? ⇒既存の方法・シーズ・技術における問題点を踏まえた記載が望ましいと考えています。
  • 研究成果の意義や発展性が明確かつ分かりやすく記載されていますか?

知財を提出前のシーズに関する注意

  • 標的分子・技術の検証研究の提案において、将来(会社側で)実施する創薬研究・実用化研究を推定できる具体性のある記載が望ましいと考えています。
  • ただし、将来知財(特許等)を提出する可能性がある場合は、核心部分は適宜表現を工夫してください。たとえば、標的分子名が未公表の場合はX等で表示し、分子種等を示す等の配慮をして下さい。

研究計画について

  • 研究計画は、簡潔にかつ具体的に記載していますか? また、研究目標を満たすために必要十分ですか?
  • 研究計画の実行可能性が、その分野の企業研究者が理解可能なレベルで示されていますか?
    • 問題点が明確に提示され、課題解決の方法が構想されていますか?
    • 作業仮説に納得性がありますか? 論理や根拠、記載に飛躍はありませんか?
    • 仮説の部分とデータの部分を明確に分けて記載していますか?
    • 第1計画がうまく行かない場合に備えた、第2計画を用意していますか?
    • (ある程度進んだ案件の場合)研究目的を達成可能であることを示すために、これまで得られたデータ及び今後取得すべきと考えているデータを具体的に示していますか? 
  • 研究計画の魅力を十分示すのに必要な記述・データが提示されていますか?
    • 研究計画を進めていく根拠となるバックデータの記載が必要と考えています。
    • 加えて模式図の記載があれば、理解しやすいです。
  • 課題達成に3~4年かかる技術の場合、段階を踏まえた計画提案が望ましいと考えています。 例えば1~2年の研究期間の公募であれば、応募書類中には全体構想を記載した上で、1~2年の実施計画・ゴールを記載して頂ければと存じます。  ⇒1-2年の結果を踏まえて、共同研究延長を提案する場合がございます。
  • 基礎的な研究のご提案の場合であっても、実用化までの将来的構想があるほうが、企業にとっては親しみやすくなります。しかし無理に創薬につなげる記載は必要ありません。